バリューメディカルでは、2023年4月より0次予防をコンセプトとした外部EAP(※1)サービスを開始いたします。今年度は、医療領域に特化したサービスから開始し、将来的には法人企業への展開を目指してまいります。
事業立ち上げの背景
(1) 0次予防への社会的期待の高まり
内閣府が「健康経営」「Well-being」を旗振りする中、企業が取り組むメンタルヘルス対策 EAP 領域は従来の「一次~三次予防」といったメンタルヘルス不調者への「早期発見・治療」に加え、0次予防(従業員の生産性向上・健康保持増進・従業員のエンゲージメント向上)への興味関心・期待が高まっていま す。
(2) 医療領域におけるメンタルヘルスケアの現状
特に医療領域においては、厚生労働省の指針のもと多くの医療現場でメンタルヘルスケアへの取り組みが行われる一方、メンタルヘルスについて看護師はハイリスクグループと言われている中では、まだまだ十分なケアができていないのが実情です。看護師は職業特性上、患者さん・ご家族のメンタルヘルスに配慮し、さらに医師にも気を配る立場にあることから、セルフケアは疎かになり、多くのストレスを抱える傾向にあります。MRT の子会社である株式会社バリューメディカル(以下、バリューメディカル)が提供している「職員満足度調査」でも看護師が多くのストレスを抱えていると見受けられる結果が得られています。
(3) 医療領域における看護師の職場定着の課題
一方、日本の医療における看護師不足は慢性的な問題であり、退職率の改善や新入社員・転職者の職場定着は医療現場において喫緊の課題という声も多く上がっています。そのため、管理職は「人手不足による超過労働」、「スタッフの健康状態の管理」に気を配る必要に迫られます。
このような背景を踏まえ、ストレスフルな環境に置かれている医療現場の支援を行うことを目的とした外部 EAP サービスを開始する運びとなりました。サービスの第一弾として、バリューメディカルが看護師に特化した 0 次予防カウンセリングファームを立ちあげ、看護師のメンタルへルスケアおよび職場定着を支援する Well-being サービスを提供してまいります。
看護師特化0次予防カウンセリングファームの特徴
(1) 相談カウンセリングサービス
看護師が気軽に電話相談できる窓口です。「職場での悩み」から「日常での些細な困り事」まで幅広くカバーし、メンタルへルス不調予備軍への早期介入を図ります。電話相談から必要に応じて専門家による定期カウンセリングを行います。
(2) 管理職専用相談ダイヤル
「職場に具合の悪そうな看護師がいるが、どう接して良いのかわからない・・・」といった管理職
からの相談に対応し、メンバーとの適切な関わりについて専門的な見地からコンサルテーションを行います。職員への対処法だけでなく、管理職自身の悩みや不調に対するフォローを行います。
(3) ストレスマネジメント研修
ストレスマネジメントは注目が集まっている取り組みです。この研修では看護師のストレスマネジメント手法を学ぶだけではなく、自己分析を通して実践的なスキルを体得します。自身のストレスをコントロールする看護師が増えることで職場の雰囲気がより明るくなり、職場全体の生産性・モチベーションアップに繋がることが期待できます。
(4) レジリエンス研修
医療の高度化・多様化が加速し変化が激しい昨今、看護師の適応力がより求められています。このような不確実なことが多い状況で長期的にキャリアを構築していくにはミスや困難な状況を目の前にしても立ち直る精神的回復力が必要です。本研修ではレジリエンスの基礎・自己分析・レジリエンスを高め維持する方法まで体得していきます。これにより、看護師の集中力アップ、冷静な判断力、自分で問題解決する方法を考えられるように支援します。
(5) オンボーディング研修
「中途入職者がうまく組織に適応できない」「組織の統廃合など新しい環境にスムーズな適応を支援したい」「中途入職者・異動者などを受け入れる際の注意点や対応ポイントを掴みたい」など、利用現場のニーズに即したオンボーディング研修です。
本研修は「新入社員・転職者向け」と「管理職向け」がございます。
(6) 職場の心理的安全性を高める研修
昨今、「心理的安全性」というキーワードが注目を集めています。職場の「心理的安全性」とは何かを知り、自職場の状況やメンバーの様子を振り返ることで課題を特定し対処法を実践的に考えます。同様の立場にある管理職同士が知恵を出し合い、切磋琢磨することで管理職同士の関係性を高めることを目指します。
(7) ハラスメント研修
ハラスメントの基礎知識を知り、問題言動を起こす感情について「怒り」を取り上げ、感情コントロールの方法を学びます。さらにハラスメントが起こってしまった場合の対応についても学びます。
(8) 職場復帰支援
メンタル疾患で休職したメンバーの再発を防ぎ、安定的に職場復帰をしていく支援並びに職場復帰に対応する管理職の負担軽減を図ります。
今後の展開
今年度は首都圏の医療施設を中心にサービス提供を進めていきます。そこで蓄積されたノウハウ・導入事例を活用しサービスの利便性向上を図りながら、医療現場のニーズに即した新しいサービス開発を行ってまいります。医療領域におけるモデル構築を行いながら、将来的には法人企業に向けた新たなサービス開発を行い、0 次予防 EAP サービスの提供価値拡大を図ります。